フランスパンにブルーチーズ、生ハムを肴にワインを空け
帰りのコースをどうするか相棒さんと相談をしていた
天候が回復すれば眺望を楽しみながら同じ道を帰るのもありだが
周回コースをとるなら大根沢山から畑薙ダムへ降るのも面白そうだ
その後もオイルサーディンをツマミにウィスキーをチビチビと飲み続け
イザルヶ岳を往復した後は酔いが回ってバタンキュー、晩飯も食べずに寝てしまった
そんな訳で今日も早くに目が覚める、天気はどうやら回復するようだ
大根沢山に向かうつもりでザックをしょって小屋を出る
長靴姿の男性が何処から帰るのかと尋ねてきた
ビールを配ってた若い人はお手伝いさんで
どうやらこの人が小屋番さんのようだ
大根沢山へ向かうつもりだと答えると大無間山(だいむげんざん)を通ってかと聞く
大無間山ってどこだっけ?要領を得ない返事をすると心配したのだろう
まずビバークになるよ、テントかツェルトがないと無理だよと忠告してくれる
これから光岳に寄り道してからというのも遅すぎるらしい
それでも話をしている内にバリエーションには慣れているのは解ってもらったようだ
「大根沢山に着いた時間でどこに降りるか判断してね」と送り出してくれた
メンバー:nenetaさん、ardbeg
【今回のルート図】
光小屋(5:35) - (5:50)光岳(5:58) - (6:07)百俣沢ノ頭分岐(6:19) - (6:41)イザルヶ岳(6:48) - (8:39)易老岳(8:53) - 喜望峰(10:20) - (10:36)仁田岳(10:46) - (11:21)仁田池(11:48) - 茶臼岳(12:15) - (14:52)畑薙山(15:00) - 畑薙大吊橋(16:40) - 畑薙ダムゲート(17:32)

そんな訳で百俣沢ノ頭分岐にザックをデポし光岳を往復する

少し先の展望地からの眺め

光石が見えるが時間もないのでパスし

百俣沢ノ頭分岐に戻る

百俣沢ノ頭分岐のお地蔵様
丹沢には山神様の祠は多いがお地蔵様は少ない
南アルプスは山神様を見ないなあと思いながら
手を合わせる

これから向かう稜線、見えているピークが信濃俣と大根沢山かなあ?
大根沢山には450mの直登の登り返しが待っているらしいが
そんなに急には見えないし案外近いなあ、などと話していると
35年前にこの辺一帯を縦走したという男性が話しかけてきた
まだ若いから高校生ぐらいの頃なのかな?
やはりその人も今から向かうんじゃ遅すぎないかと心配してくれる
大根沢山から畑薙ダムに降りても11時間はかかるらしい
2時間近くはヘッデン歩きになりそうだ
そんなにかかりそうには見えないんだがなあ
まだ降りの脚に自信がないし今回は諦めることにした
きのう来た道を眺望を楽しみながら戻ろう

まずは昨日ガスガスだったイザルヶ岳へ

今日はぐるり360度の大展望

向こうの稜線に大きな建物が見える、しらびそ峠のホテルらしい
あんなところまで車で上がれるとはねえ

易老岳を通過

救助かな?ヘリが聖岳の方に飛んで行った

希望峰にザックをデポし仁田岳をピストンする

眺めの良い稜線を歩く
雲が薄れ青空が広がってきた

仁田岳もぐるり360度の展望

朝炊いたご飯とレトルトカレーを温めながら食べる

補給が効いて登り返しも元気いっぱい

茶臼岳に戻って来た
空はもう快晴だ

全部ピストンで戻るのはつまらないので
畑薙山経由で戻ろうと歩きながら相談してきた
茶臼岳山頂に直に登っている人もいると言うので
ハイマツの藪に突っ込んで行く

テープもあるが尾根に向かって右の踏跡は崩壊地に阻まれて登り返す
ハイマツとダケカンバの枝を踏みつけ、押分けながらやっとの事で尾根に乗る

2072地点の崩壊地、この辺りから幾分歩きやすくなってきた

心配した通り脚がだんだん弱って来た
畑薙山に着く頃には膝はガクガクし
昔痛めた足首もうずいて踏ん張れない

林道から見えていた崩壊地の上に出た
辛い下降も後わずかで終わる

1403地点からの急降下に悶絶しながら送電鉄塔に到着

やれやれ畑薙大吊橋に戻って来た
後は林道を戻るだけだ

先程上に立っていた崩壊地を眺める

畑薙ダムゲートに到着、大急ぎで白樺荘に向かい
6時ぎりぎりではあったがお風呂に入らせてもらえた
最後はヘロヘロだったが満足な山行でした
帰ってから大根沢山経由で下降している記録を調べると
かなり足の速い人でも9時間かかっている
今の自分では11時間かけても歩けなかったかもしれない
忠告して下さった皆さんありがとうございました
"畑薙大吊橋から茶臼岳と光岳、大根沢山は断念し畑薙山経由で戻る(三日目)"へのコメントを書く